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【続報】永住申請、世帯5人以上は年収加算へ|海外の扶養親族も人数に含む方針
この記事のポイント

- 申請者が扶養する親族は、同居していない海外在住者も世帯人数に含める方針と報じられた
- 世帯人数が5人以上の場合、生活費の増加分を必要年収に加算する方向
- 同一世帯の家族収入は合算する一方、「家族滞在」などの資格外活動による収入は合算しないとされる
- 具体的な基準額や扶養親族の定義は、2026年7月28日時点で正式公表されていない
「年収はいくらか」だけでは済まない続報

2026年7月25日、永住許可について「日本人世帯の平均を上回る年収水準」や、厚生年金30年加入相当の受給見込み額を求める改定案が報じられました。
当事務所でも、前回の記事「永住許可要件を厳格化へ|日本人世帯の平均超えと厚生年金30年水準を解説」で全体像を整理しています。
今回の朝日新聞の続報で、年収を判定する際の「家族の数え方」と「収入の合算方法」が、さらに具体的に報じられました。
現行の入管法第22条は、永住許可の要件として「独立の生計を営むに足りる資産又は技能」を掲げています。
現在公表されている永住許可ガイドラインも、公共の負担とならず、将来にわたり安定した生活が見込まれることを求めていますが、全申請者に共通する具体的な年収額までは示していません。
政府が2026年1月23日に決定した外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策には、独立生計要件や国益要件を見直す方針が盛り込まれています。
ただし、今回報じられた細かな計算方法は、まだ正式な新ガイドラインとして確認できません。
海外に住む親族も「扶養人数」に入る

報道によれば、申請者が扶養する親族は、申請者と同居していなくても世帯人数に含め、外国に住む親族も対象とする方針です。
さらに、世帯人数が5人以上となる場合には、人数に応じた年収水準へ生活費などの増加分を加算するとされています。
例えば、日本で申請者、配偶者、子2人が暮らし、申請者が母国の親1人を継続して扶養している場合、合計5人として扱われる可能性があります。
これはあくまで報道内容に沿った例であり、この数え方が正式決定されたわけではありません。
重要なのは、単に「海外に親族がいる」だけで人数が増えるのではなく、申請者が扶養している親族が対象とされている点です。
もっとも、ここでいう扶養が、税法上の扶養控除の申告だけで決まるのか、実際の送金額や頻度、生計関係まで確認するのかはわかりません。
推測ですが、正式運用が報道どおりになれば、課税証明書だけでなく、親族関係資料や海外送金記録なども確認対象となる可能性があります。
世帯収入は合算できるが、すべての収入ではない

新たな方針では、申請者本人の収入と、同じ世帯にいる家族の収入を合算して判定すると報じられています。
本人だけでは基準に届かなくても、就労資格を持つ配偶者などに安定収入があれば、世帯全体として評価される余地があるということです。
一方、「家族滞在」など就労を目的としない在留資格の家族が、資格外活動許可を受けて得たアルバイト収入は合算しないとされています。
在留資格「家族滞在」は、扶養を受ける配偶者や子としての日常的な活動を前提とする資格です。
資格外活動による就労が適法であっても、永住審査では安定した主たる生計収入として扱わない、という考え方なのでしょう。
ただ、家族滞在の配偶者も現実には家計を支えています。
その人を生活費のかかる世帯員として数える一方、適法に得た収入を一切算入しないのであれば、やや一方向の評価にも感じます。
どの在留資格、どの収入まで除外するのか、丁寧な基準の公表が必要です。
575万2,000円が基準と決まったわけではない

参考として、厚生労働省の2025年国民生活基礎調査では、全世帯の1世帯当たり平均所得金額は575万2,000円です。
ただし、これは「所得」の統計であり、今回の年収基準がこの金額を採用すると決まったわけではありません。
給与の総支給額を見るのか、課税所得を見るのか。どの統計年を使うのか。地域差、子どもの年齢、住宅費、共働き世帯をどう扱うのか。具体的な加算額も含め、現時点ではわかりません。
2026年4月の申請まで遡る可能性

今回の報道では、新たな年収水準は2026年10月1日のガイドライン改定後、同年4月の申請分まで遡って適用するとされています。
報道どおりであれば、すでに申請し、審査中の案件にも影響する可能性があります。
申請時には公表されていなかった基準をどのように適用するのか、追加資料の提出機会が設けられるのか、経過措置があるのかは未確認です。
この点は申請者の予測可能性に直結するため、正式発表を待つ必要があります。
今から確認しておきたいこと

永住申請を予定している方や、すでに申請中の方は、まず世帯構成、国内外の扶養親族、家族ごとの在留資格と収入、海外送金の実態を整理しておいた方がよいでしょう。
扶養人数を少なく見せるために、実態と異なる税務申告へ変更することは避けなければなりません。大切なのは、事実を正確にそろえたうえで、どの収入が安定した生計基盤として評価されるのかを確認することです。
永住許可は、申請者一人の給与額だけを見る制度から、国内外を含む家族全体の生活設計まで確認する制度へ変わろうとしています。
個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。
4. 記事末尾の整理
【結論】
報道された新方針では、海外在住者を含む扶養親族が世帯人数に算入され、5人以上の場合は必要年収が加算される一方、家族滞在などの資格外活動収入は合算されない見込みです。家族構成と在留資格が、永住審査の年収判定に直接影響する可能性があります。
【根拠】
- 入管法第22条は、永住許可の原則要件として独立生計要件を定めている
- 現行ガイドラインは、公共の負担とならず、将来にわたり安定した生活が見込まれることを求めている
- 政府の総合的対応策は、独立生計要件及び国益要件の見直しを掲げている
- 2026年7月28日付朝日新聞が、扶養人数、海外親族、世帯収入の合算方法を報じた
【注意点・例外】
- 新しいガイドライン本文、具体的な基準額、加算額は未公表
- 「扶養」の定義や、海外送金の立証方法は不明
- 日本人、永住者、特別永住者の配偶者・子には入管法上の要件特例があり、新年収基準の適用方法は別途確認が必要
- 2026年4月申請分への遡及適用や経過措置は、現時点では報道段階
【出典】
一次情報
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
- 内閣官房「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」
- 出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」
- 厚生労働省「2025年国民生活基礎調査の概況」
参考情報
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