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TOP > コラム > スリランカで日本向け運転手1,000人の求人報道|特定技能採用で確認したいこと

スリランカで日本向け運転手1,000人の求人報道|特定技能採用で確認したいこと

2026.09.18
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スリランカで日本向け運転手1,000人の求人報道|特定技能採用で確認したいこと

日本で働くトラック運転手を、スリランカから1,000人規模で募集する動きが報じられました。
物流に関わる企業にとって、採用先の広がりを感じさせるニュースです。

行政書士として注目したいのは、その人数とともに、候補者をどの段階から育成し、日本での仕事につなげようとしているのかという点です。

海外の求人情報を自社の採用計画に取り入れるには、募集から乗務開始までの過程を確認する必要があります。

スリランカの政府系機関が、日本向けの募集を案内

スリランカのNewswireは2026年9月3日、日本企業からトラック運転手1,000人分の求人が提示されていると報じました。

記事によれば、応募者には自動車の運転免許と日本語能力が求められ、必要な資格の取得を支援する方針も示されています。参考:Newswireの報道

募集主体のSri Lanka Foreign Employment Agency(SLFEA)は、政府機関SLBFEが全額出資する海外就職あっせん会社です。

公式サイトでは9月5日付で日本などへの就職機会を案内し、求人ページにも特定技能のトラック運転手募集を掲載しています。SLFEA公式発表、公式求人ページ

ただし、確認できた公式ページには、1,000人全員の採用決定や入国時期を裏付ける情報まではありません。

実際に何人が、いつ日本で就労を始めるのかは、現時点ではわかりません。人数は報道上の求人規模として受け止める必要があります。

求人に応募できる条件と、日本で乗務する条件

報道に出てくる応募条件は、現地で候補者を募る段階の条件です。
日本で「特定技能1号」のトラック運転手として働くための要件も、別途満たさなければなりません。

国土交通省の資料では、トラック区分の特定技能評価試験、日本の第一種運転免許、日本語能力の確認が必要とされています。
日本語は原則としてJLPTのN4以上、又はJFT-Basicによる確認となります。国土交通省・制度概要

企業が候補者の紹介を受ける際には、「日本語を勉強中」「免許を持っている」という説明を、もう一段具体的にしたいところです。

試験には合格しているのか。免許はどの国の、どの車種のものか。予定する車両の運転までに、追加取得が必要な免許はあるのか。

例えば、大型トラックへの配置を予定しているなら、普通免許の取得だけを確認して採用日程を組むことはできません。

海外での運転経歴を確認する書類も含め、日本で必要となる手続を先に整理しておくことが大切です。国土交通省Q&A・問7〜9

入国から乗務開始までを、採用計画に入れる

日本の運転免許を取得する準備のため、一定の要件を満たせば「特定活動」で入国する仕組みがあります。
トラック運転手の場合、この在留期間は6か月で、更新はできません。
国土交通省・制度概要

そのため、候補者が決まった時点で、教習や免許切替、必要書類の準備、在留資格変更の手続を一つの日程表に落とし込んでおく必要があります。

誰が教習所と調整し、誰が本人に説明するのかまで決めておけば、準備の抜けも見つけやすくなります。

企業側の協議会加入にも時間がかかります。国土交通省は、届出内容の確認に1か月程度を要する見込みと案内しています。

自社の受入要件の確認は、候補者の選考と並行して進めたいところです。
国土交通省・協議会加入案内

なお、6か月以内に在留資格変更を申請し、審査中に期限を迎える場合の特例期間は、更新とは別の取扱いです。

単純に「6か月経過したら必ず即帰国」と理解するのも正確ではありません。
国土交通省Q&A・問15

育成の費用と、その間の生活を誰が支えるか

今回の報道には、応募に必要な資格を取得するための支援も登場します。
ただ、トラック運転手の募集について、支援の範囲や費用負担の詳細までは、確認した記事からはわかりません。

同じ報道では、別の建設分野の事業で日本企業が研修費を負担する例も紹介されています。
この説明を、トラック運転手の募集にもそのまま当てはめることはできません。
参考:Newswireの報道

採用する企業としては、現地研修、日本の免許取得、渡航、住居、乗務開始前の賃金などを項目ごとに整理し、本人負担となるものを明確にしておくことが必要です。

紹介会社への支払いだけで、採用に必要な費用を把握したつもりにならないようにしたいものです。

国交省のQ&Aでも、運転免許取得費用は受入れ機関の負担が望ましく、本人が負担する場合には、十分理解できる言語で説明し、事前に了承を得るよう求めています。
国土交通省Q&A・問27

本人の立場から見れば、「いつから、いくら受け取れるのか」は生活の見通しそのものです。
準備期間が延びた場合の対応も、契約前に共有しておくべきでしょう。

1,000人という数字を、一人の採用に落とし込む

このニュースから私が考えるのは、海外で募集が進むほど、日本側にも育成と受入れを具体化する力が求められるということです。

人数の大きさは目を引きます。
しかし、自社に来る一人について、入国前の準備状況、乗務開始までの日程、費用と生活支援を説明できるでしょうか。

採用担当者、現場責任者、紹介会社、支援担当者が同じ見通しを持つことが、受入れの土台になると考えます。

Asocia行政書士法務事務所では、外国人採用に伴う在留資格の検討や申請準備についてご相談を承っています。

海外での募集を検討する段階から、実際の業務と採用日程を照らし合わせて準備を進めてください。


4.記事末尾の整理

【結論】

スリランカで日本向け特定技能トラック運転手の募集が確認できます。企業は、報道上の求人規模に加え、候補者ごとの免許・試験・在留手続と費用負担を確認する必要があります。

【根拠】

SLFEAの公式求人、2026年9月3日の現地報道、国土交通省の制度概要・Q&Aに基づいて整理しました。

【注意点・例外】

1,000人は報道上の求人規模で、採用・入国の実績ではありません。技能実習2号の良好修了者には、トラック分野の日本語試験が免除される場合があります。保有免許や在留状況など、個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。国土交通省Q&A・問4

【出典】

一次情報(募集主体の公表)

  • SLFEA「Japan & UAE Employment Opportunities」2026年9月5日付
  • SLFEA「Japan Job Opportunity / SSW(Truck Drivers)」

一次情報(日本の制度)

  • 国土交通省「特定技能制度における自動車運送業分野の制度概要」
  • 国土交通省「特定技能Q&A」
  • 国土交通省「自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れについて」

参考情報(報道)

  • Newswire「SLBFE announces new job opportunities in Japan, Middle East」2026年9月3日

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この記事の執筆者

播磨 史雄 代表 入管取次行政書士

平成23年行政書士登録、同年開業。法人設立・補助金業務のほか、2018年より新潟県委託の外国人材受け入れサポートセンター相談員として入管業務にも従事。

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