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TOP > コラム > 特定技能「建設」が2025年末で5万1122人に|企業が今確認すべきポイント

特定技能「建設」が2025年末で5万1122人に|企業が今確認すべきポイント

2026.05.16
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建設分野の特定技能外国人が5万人を突破した意味

出入国在留管理庁が公表した令和7年末現在の在留外国人数によれば、日本に在留する外国人は412万5,395人となり、初めて400万人を超えました。

前年末から9.5%増加しており、日本社会の中で外国人材の存在感がさらに大きくなっています。

その中でも注目したいのが、在留資格「特定技能」です。令和7年12月末時点の特定技能在留外国人数は39万296人とされ、過去最高を記録しています。

建設分野は5万1,122人で、特定技能全体の13.1%を占める規模になりました。

建設分野で5万人を超えたという数字は、単なる統計上の節目ではありません。現場の人手不足を補う制度として、特定技能が「例外的な外国人雇用」ではなく、建設業界の人材戦略の一部になってきたことを示しています。

行政書士として現場を見ていると、数年前までは「外国人を雇いたいが、どの在留資格が使えるかわからない」という相談が多くありました。

最近は少し変わってきています。「技能実習から特定技能へどう移行するか」「2号まで見据えて長く働いてもらえるか」「元請や現場管理上、どこまで確認すべきか」という、より実務的な相談が増えています。

制度が広がると、相談内容も一段深くなります。これは良い変化である一方、企業側の管理責任も重くなっているということです。

建設分野ではベトナム人材が大きな割合を占める

建設通信新聞の記事によれば、2025年末時点の建設分野の特定技能外国人5万1,122人のうち、国籍・地域別ではベトナムが3万1,712人と全体の約6割を占めています。

また、特定技能1号ではベトナムが3万159人、インドネシアが6,638人、フィリピンが5,635人とされています。

この数字を見ると、建設分野では依然としてベトナム人材の存在感が大きいことがわかります。一方で、インドネシアやフィリピンの増加も目立ちます。

今後は、国籍ごとの送り出し事情、日本語学習環境、宗教・生活習慣への配慮、母国での建設経験の有無などを踏まえた受入れ体制がより重要になります。

外国人材の受入れは、単に「採用できたら終わり」ではありません。建設業では、現場が変わる、元請・下請の関係がある、安全衛生教育が必要になる、宿舎や通勤の問題が生じるなど、生活と仕事が密接に結びつきます。

採用時の説明が曖昧なままだと、入社後に「聞いていた仕事内容と違う」「残業代の計算がわからない」「現場が遠すぎる」といった不満につながります。

これは外国人本人だけでなく、受入れ企業にとっても大きなリスクです。

特定技能1号だけでなく、2号も増えている

建設分野の内訳を見ると、特定技能1号が4万9,323人、特定技能2号が1,799人とされています。特定技能2号は、前年から大きく増加している点も注目されます。

特定技能1号は、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が対象となる在留資格です。

一方、特定技能2号は、より熟練した技能を持つ人材を対象とし、在留期間更新の上限がなく、一定の要件を満たせば家族帯同も可能になります。

建設分野で2号が増えていることは、外国人材を一時的な労働力としてではなく、現場の中核人材として育てていく段階に入ってきたことを意味します。

ただし、2号への移行は自動的に認められるものではありません。

技能水準、実務経験、業務内容、雇用管理、支援体制などを丁寧に確認する必要があります。出入国在留管理庁の建設分野の運用資料でも、建設分野特有の基準や運用を確認することが求められています。

実務上は、「長く働いているから2号にできるだろう」と考えるのは危険です。

どの業務区分で、どのような技能を身につけ、どのような現場経験を積んできたのか。その説明ができなければ、申請書類としては弱くなります。

技能実習と特定技能を混同してはいけない

建設分野では、技能実習生も多く在留しています。

建設通信新聞の記事では、技能実習のうち建設関係は11万3,680人とされ、とび、建設機械施工、型枠施工が上位を占めると紹介されています。

ここで注意したいのは、技能実習と特定技能は制度の目的が異なるという点です。

技能実習は、国際貢献を目的とする技能移転の制度として位置づけられてきました。

一方、特定技能は、人手不足分野において一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。実際の現場では、技能実習を終えた外国人が特定技能へ移行するケースも多いため、両者が連続して見えることがあります。

しかし、制度上は別物です。

技能実習の延長のような感覚で特定技能を扱うと、雇用契約、報酬、支援計画、届出、協議会関係、建設分野特有の手続などで見落としが出やすくなります。

特に建設分野では、受入れ企業側に求められる確認事項が多く、他分野よりも慎重な運用が必要です。現場で働くことが前提となる分、労働条件、安全管理、配置、現場変更時の整理を曖昧にできません。

技人国で建設現場作業はできない点にも注意

記事では、在留資格「技術・人文知識・国際業務」が47万5,790人に増加したことにも触れられています。

建設業界でも、設計、施工管理、CAD、積算、海外取引、通訳翻訳、営業管理などの業務で「技術・人文知識・国際業務」が検討されることがあります。

ただし、ここで誤解が起こりやすいのが、技人国で建設現場の単純作業や技能作業に従事できるわけではないという点です。

たとえば、大学で建築を学んだ外国人を採用し、設計補助や施工管理補助に従事させる場合には技人国の可能性があります。

しかし、実態として型枠、鉄筋、とび、内装、設備工事などの現場作業が中心であれば、技人国ではなく、特定技能や技能実習など別の制度を検討すべき場面になります。

入管実務では、肩書きよりも実際の活動内容が重視されます。「施工管理補助」という名称でも、実態が現場作業中心であれば問題になります。ここは企業側が特に注意すべきところです。

建設業の外国人雇用は「人数」から「管理の質」へ

建設分野の特定技能外国人が5万人を超えたことは、業界にとって心強い数字です。人手不足が続く中で、外国人材が現場を支えていることは間違いありません。

しかし、人数が増えるほど、制度違反やトラブルも表面化しやすくなります。

たとえば、次のような点は実務上よく問題になります。

雇用契約書の内容と実際の労働条件が違う
現場変更や業務内容変更の整理ができていない
残業代、控除、宿舎費の説明が不十分
支援計画が形式的で、本人が内容を理解していない
特定技能の届出や変更手続が遅れている
技能実習から特定技能への移行時に書類の整合性が取れていない

外国人本人は、日本の労働法や在留資格制度を十分に理解していないこともあります。企業側も、悪意がなくても「日本人従業員と同じように扱っているから大丈夫」と考えてしまうことがあります。

しかし、在留資格の世界では、それだけでは足りません。外国人本人がどの在留資格で、どの業務を行い、どの条件で雇用され、どのような支援を受けているのか。

これを説明できる状態にしておくことが大切です。

行政書士として感じる、これからの建設業の課題

建設業界にとって、外国人材の受入れは避けて通れないテーマになっています。

若年層の入職者不足、技能承継、地域の建設会社の人手不足を考えれば、外国人材に支えられる現場は今後も増えていくでしょう。

一方で、外国人材を「人手不足の穴埋め」とだけ見てしまうと、制度の運用は必ずどこかで行き詰まります。

特定技能2号が増えているということは、日本で長く働き、家族を持ち、地域で生活する外国人建設人材が増えていく可能性を示しています。

これは、企業にとっては定着人材の確保であり、地域にとっては新しい住民を迎えることでもあります。

現場で必要なのは、制度を使うことだけではありません。

外国人本人が安心して働ける環境を整えること。
賃金や労働時間を透明にすること。
日本語が不十分な場面でも、安全指示が伝わる仕組みを作ること。
将来のキャリアを一緒に考えること。

こうした地味な積み重ねが、結果として企業を守ります。

特定技能外国人が増えたというニュースは、単なる「外国人が増えた」という話ではありません。建設業界が、外国人材とともに現場をつくる時代に入ったという合図だと感じます。

  1. 記事末尾の整理

【結論】

建設分野の特定技能外国人が2025年末で5万人を超えたことは、建設業における外国人材受入れが本格的な段階に入ったことを示しています。今後は、人数の確保だけでなく、雇用管理、在留資格管理、安全管理、長期定着支援の質が問われます。

【根拠】

出入国在留管理庁の令和7年末在留外国人数によれば、在留外国人数は412万5,395人となり、初めて400万人を超えました。

令和7年12月末時点の特定技能在留外国人数は39万296人で、建設分野は5万1,122人とされています。

建設通信新聞の記事では、建設分野の国籍・地域別、業務区分別、特定技能1号・2号別の人数が整理されています。

【注意点・例外】

建設分野の特定技能は、他分野以上に現場管理、業務区分、労働条件、安全衛生、支援体制の確認が重要です。

技能実習から特定技能へ移行する場合でも、制度目的や必要書類は異なります。技能実習の延長として安易に扱うべきではありません。

技術・人文知識・国際業務は、建設業でも活用可能な場面がありますが、現場作業中心の業務には原則として適しません。個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。

【出典】

出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」

出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」

出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」

出入国在留管理庁「建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」

建設通信新聞Digital「【特定技能外国人】25年末で建設は5万人突破」2026年5月12日最終更新

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