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TOP > コラム > 特定技能1号「外食業」は本当に止まったのか?2026年5月19日公表の審査状況を行政書士が解説

特定技能1号「外食業」は本当に止まったのか?2026年5月19日公表の審査状況を行政書士が解説

2026.05.21
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特定技能1号「外食業」は、いま何が止まり、何が動いているのか

出入国在留管理庁は、2026年5月19日、「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」を公表しました。

外食業分野については、すでに2026年3月27日の時点で、特定技能1号の在留者数が2026年2月末現在で約4万6,000人となり、2026年5月頃には受入れ見込数、いわゆる受入れ上限である5万人を超える見込みであることが示されていました。

そのため、2026年4月13日に在留資格認定証明書交付の一時停止措置をとる方針が公表されています。

今回の5月19日公表は、その後の審査状況を整理したものです。実務上かなり重要なのは、「外食業の特定技能1号が全部止まった」という話ではない、という点です。

止まっている手続と、通常どおり進んでいる手続があります。ここを混同すると、本人にも企業にも大きな不利益が出ます。

この記事のポイント

外食業分野の特定技能1号について、現在、在留資格認定証明書交付申請、つまり海外から新たに呼び寄せる手続は交付停止中です。

一方で、すでに特定技能1号「外食業」で働いている人の在留期間更新は、通常どおり順次審査されています。

また、外食業分野内での転職に伴う在留資格変更許可申請も、全ての申請について通常どおり審査される扱いです。ここは、外食企業や登録支援機関が特に押さえるべきポイントです。

海外からの新規呼び寄せは「交付停止中」

まず、在留資格認定証明書交付申請についてです。

これは、海外にいる外国人を日本へ呼び寄せるときに使う手続です。今回の公表では、特定技能1号「外食業分野」の在留資格認定証明書交付申請は、交付停止中とされています。

外食業界では、海外にいる候補者に試験を受けてもらい、内定を出し、登録支援機関や行政書士と一緒に受入れ準備を進めることがあります。

ところが、制度上の受入れ上限に近づいたことで、このルートが止まっている状態です。

現場から見ると、これはかなり重いです。

人手不足は続いている。店舗では人が足りない。採用したい外国人もいる。それでも、制度上の枠が埋まりそうになれば、在留資格の入口が閉じられる。このあたりに、特定技能制度の難しさがあります。

特定技能は「人手不足だから無制限に受け入れる制度」ではありません。分野ごとに受入れ見込数が設定され、その数が事実上の上限として運用されます。出入国在留管理庁も、分野ごとの5年間の受入れ見込数は、特定技能1号外国人の受入れ上限として運用すると説明しています。

在留資格変更許可申請は、申請類型ごとに扱いが分かれる

今回の公表で一番誤解されやすいのが、在留資格変更許可申請です。

「変更申請も全部ダメなのか」と受け取ってしまいがちですが、そうではありません。

今回、通常どおり審査が終了次第許可しているとされているものがあります。

技能実習からの変更

1つ目は、技能実習「医療・福祉施設給食製造作業」から、特定技能1号「外食業分野」へ変更する申請です。

ただし、対象となるのは、受付日が令和8年、つまり2026年4月12日までの申請とされています。

日付が非常に重要です。単に「技能実習から外食業へ移るから大丈夫」という話ではありません。受付日がいつかを確認する必要があります。

特定活動「特定技能1号移行準備」からの変更

2つ目は、外食業分野に係る特定活動「特定技能1号移行準備」から、特定技能1号「外食業分野」へ変更する申請です。

こちらは、当該特定活動に係る初回の変更申請の受付日が、2026年2月11日までのものが対象とされています。

ここも細かいですが、単なる現在の申請日ではなく、「初回受付日」が基準になっています。実務では、申請履歴をきちんと確認しないと判断を誤る可能性があります。

外食業分野内での転職

3つ目は、すでに特定技能1号「外食業分野」で在留している人が、外食業分野内で転職するケースです。

これは「全ての申請」が対象とされています。

ここは非常に大切です。すでに外食業分野で特定技能1号として働いている外国人が、同じ外食業分野内で別の会社へ転職する場合まで一律に止まっているわけではありません。

企業側としては、「外食業の特定技能はもう使えない」と考えてしまうと、既存人材の転職採用の機会を逃す可能性があります。

在留期間更新は通常どおり審査されている

在留期間更新許可申請については、通常どおり順次審査が終了次第許可しているとされています。

つまり、すでに特定技能1号「外食業」で働いている外国人について、更新申請まで止まっているわけではありません。

これは本人にとっても、企業にとっても重要です。

「外食業の特定技能が停止されたら、いま働いている人も更新できないのではないか」と不安になる方もいると思います。しかし、今回の公表内容を見る限り、更新申請は通常どおり審査されています。

ただし、通常どおりというのは、無条件に許可されるという意味ではありません。特定技能所属機関の届出、支援実施状況、報酬、税金・社会保険、本人の活動状況など、通常の審査項目は当然に確認されます。

補正や追加資料の連絡には必ず対応する

今回の留意事項で、実務上かなり気になる一文があります。

交付・許可停止中であっても、提出書類の修正または追加提出を求める場合がある、という点です。

これは、「止まっているなら何もしなくていい」という意味ではないことを示しています。

申請中の案件について、入管から補正や追加資料の依頼が来ることがあります。その対応を放置すれば、審査上の不利益につながる可能性があります。

特に、外食業分野では申請件数が多く、受入れ見込数との関係で順番管理も問題になります。入管庁は、受入れ見込数の範囲内で受付日順に交付または許可するとしつつ、申請内容や提出書類の状況により順番が前後する場合があるとも説明しています。

ここは行政書士としても、かなり注意して見ています。

書類が不十分なままになっている案件は、制度上の枠が限られる局面では、より不利になりやすいと考えるのが自然です。推測ですが、今後は「早く申請したか」だけでなく、「審査できる状態の申請になっているか」がより重要になるはずです。

在留期限が近い場合は「特定活動」への切替案内に注意

もう一つ重要なのが、在留期限が先に来てしまうケースです。

今回の留意事項では、順番が到来するより前に在留期間を満了することが見込まれる申請について、不法残留を防ぐため、特定活動「特定技能1号準備」外食業分野への在留資格変更許可申請、または同特定活動の在留期間更新許可申請について、申請内容変更申出を行うよう案内する場合があるとされています。

ただし、在留期間更新許可は1回限りとされています。

これは、本人にとっても企業にとっても、スケジュール管理が非常に大切だということです。

「申請中だから何とかなるだろう」と考えていると、在留期限との関係で危険な状態になることがあります。特定技能の場合、雇用契約、支援計画、協議会、届出、住居、報酬、転職時の空白期間など、確認すべきことが多いです。

とくに外食業分野では、今回のように制度全体の受入れ上限が絡んでいます。通常時の感覚で進めると、思わぬところで手続が止まります。

外食企業がいま確認すべきこと

外食企業がいま確認すべきことは、単純です。

その外国人が、いま日本にいるのか、海外にいるのか。

日本にいる場合、現在の在留資格は何か。

すでに外食業分野の特定技能1号なのか、それとも留学、特定活動、技能実習、他分野の特定技能なのか。

申請の受付日はいつか。

在留期限はいつか。

この5点を確認しないまま、「採用できる」「採用できない」と判断するのは危険です。

特に、外食業分野内の転職は動いています。一方で、海外からの新規呼び寄せは止まっています。留学生や他分野からの新規変更についても、受付日や類型によって厳しく見られます。

同じ「外食業で働きたい外国人」でも、現在の在留資格と申請履歴によって結論が変わる。これが今回の実務上のポイントです。

制度は止まっても、現場の人手不足は止まらない

今回の措置は、外食業界にとってかなり大きな影響があります。

外食業は、コロナ禍を経て人手不足が一段と深刻になりました。営業時間を短くする、定休日を増やす、出店計画を見直す。そうした話は、地方でも都市部でも珍しくありません。

その中で、特定技能外国人は、現場を支える大きな存在になってきました。

しかし、制度はあくまで制度です。人手不足があるからといって、上限を超えて自動的に受け入れ続けられるわけではありません。

ここに、企業側の採用計画と、国の制度設計とのズレがあります。

行政書士としては、企業に対して「外国人を採用しましょう」と言うだけでは足りない時代に入っていると感じます。どの在留資格で、どの時期に、どのルートで採用するのか。更新や転職まで含めて、在留管理を採用戦略の一部として考える必要があります。

まとめ

特定技能1号「外食業分野」は、海外からの新規呼び寄せについては交付停止中です。

一方で、すでに外食業分野で特定技能1号として在留している人の更新や、外食業分野内での転職まで止まっているわけではありません。

今回の公表で大切なのは、「外食業は全部止まった」と単純化しないことです。

申請類型、受付日、現在の在留資格、在留期限。この4つを確認しなければ、正しい判断はできません。

外国人本人にとっては、在留資格は生活そのものに関わる問題です。企業にとっても、採用計画や店舗運営に直結します。

外食業分野で特定技能外国人の採用・更新・転職を検討している場合は、早めに状況を整理し、申請時点の最新情報を確認することが重要です。

在留資格申請や外国人雇用の判断は、制度の条文だけでなく、実際の活動内容、申請履歴、在留期限、雇用管理の状況によって結論が変わることがあります。

判断に迷う場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

  1. 記事末尾の整理

【結論】

特定技能1号「外食業分野」は、海外からの新規呼び寄せに関する在留資格認定証明書交付申請が交付停止中です。一方で、在留期間更新や外食業分野内での転職は通常どおり審査されています。「全部停止」と誤解せず、申請類型ごとに確認する必要があります。

【根拠】

出入国在留管理庁は、2026年3月27日、外食業分野の特定技能1号在留者数が2026年2月末時点で約4万6,000人となり、2026年5月頃に受入れ見込数5万人を超える見込みであるとして、2026年4月13日に在留資格認定証明書交付の一時停止措置をとる方針を公表しました。

2026年5月19日掲載の「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」では、在留資格認定証明書交付申請は交付停止中、在留期間更新許可申請は通常どおり順次審査、外食業分野内での転職に係る変更申請は全て通常どおり審査される旨が示されています。

【注意点・例外】

外食業分野内での転職は継続して審査されますが、他の在留資格から外食業分野の特定技能1号へ変更する場合は、受付日や現在の在留資格によって扱いが異なります。

在留期限が近い場合、特定活動「特定技能1号準備」への変更や更新に関する申請内容変更申出を案内される場合があります。ただし、更新は1回限りとされています。

個別事情により判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。

【出典】

出入国在留管理庁
「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況(2026年5月19日掲載)」

出入国在留管理庁
「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」令和8年3月27日

出入国在留管理庁
「特定技能『外食業分野』における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」2026年4月13日

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