育成就労でタジキスタンの暫定送出機関を公表|「採用解禁」ではない理由
この記事のポイント

・タジキスタンの育成就労に関する暫定送出機関3機関が公表された
・暫定リストは、正式な認定送出機関リストではない
・現時点でタジキスタンからの育成就労外国人の受入れが確定したわけではない
・受入企業は、国籍よりも送出しから雇用・支援までの仕組みを確認する必要がある
タジキスタンの暫定送出機関リストが公表

外国人技能実習機構は2026年7月24日、育成就労制度について、タジキスタンの「暫定送出機関リスト」を新たに公表しました。
公表されたリストには、タジキスタンの移民関係機関の傘下にある組織など、3機関が掲載されています。外国人技能実習機構の公表
ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマーなどと比べると、タジキスタンは日本の外国人雇用の現場では、まだなじみの薄い国です。
そのため、「これからタジキスタン人材の採用が始まるのか」と受け止める企業もあるかもしれません。
ただし、今回の公表を「タジキスタンからの採用解禁」と理解するのは早すぎます。ここが実務上、最も注意したいところです。
「暫定」と「認定」は何が違うのか

育成就労制度では、悪質な送出機関を排除するため、原則として日本との間で二国間取決め、いわゆるMOCを作成した国から受け入れる仕組みが採用されています。
外国の送出機関による取次ぎを利用する場合、正式な「認定送出機関」であることが求められます。
一方、二国間取決めの協議中には、将来、認定送出機関になることが見込まれる機関について、相手国から「暫定送出機関リスト」が提出されることがあります。
今回のタジキスタンのリストも、この段階です。
外国人技能実習機構の一覧では、2026年7月27日現在、タジキスタンの二国間取決め作成日は「-」とされ、リストの種類も「暫定」と表示されています。
外国政府認定送出機関一覧
つまり、送出しの候補となる機関は示されましたが、国同士の手続と送出機関の正式な認定は、まだ完了していません。
暫定リストは何のためにあるのか
育成就労制度は2027年4月1日に始まりますが、それに先立ち、監理支援機関の許可申請は2026年4月15日から受け付けられています。
監理支援機関が海外の送出機関を利用する場合、許可申請書に契約先となる送出機関を記載しなければなりません。
正式な認定リストが出るまで申請準備が止まってしまわないよう、暫定リストが使われます。
もっとも、外国人技能実習機構は、監理支援機関の許可は二国間取決めの作成後、正式な認定送出機関リストが提出されてから行うと説明しています。
暫定リストに掲載されていた機関が正式なリストに残らなかった場合や、二国間取決めが作成されなかった場合には、その送出機関を記載したままでは許可を受けられません。
「今後、認定される可能性がある機関」と「すでに認定された機関」は、似ているようで法的な位置づけがまったく違います。
受入企業は何を確認すべきか

外国人材の受入れでは、新しい送出国が増えると、その国の人材の性格や日本語能力に注目が集まりがちです。
しかし、実務で先に確認すべきなのは国民性ではありません。
確認したいのは、送出しから入国後の雇用まで、無理のない仕組みが作られているかどうかです。
例えば、送出機関が候補者から徴収する費用、出国前の日本語教育、募集時に説明される仕事内容、来日後の住居や相談体制などです。
求人条件と来日前の説明にずれがあれば、来日後の早期離職やトラブルにつながります。
育成就労制度では、技能実習制度から名称が変わるだけではありません。
人材育成と人材確保を目的として明確に位置づけ、一定の要件のもとで本人意向による転籍も認める制度です。
「来日してもらえば3年間は働いてくれる」という発想では、制度の方向性と合わなくなります。
今の段階で企業ができること

タジキスタン人材の受入れを検討する企業が、現時点で採用人数や入国時期まで確定するのは難しいでしょう。
正式な二国間取決めの作成時期や認定送出機関リストの内容は、まだわかりません。
まずは、自社が育成就労の対象分野に該当するか、担当させる業務が分野別の運用要領に合っているかを確認することが先です。
そのうえで、監理支援機関がどの送出機関と契約する予定なのか、暫定リストから正式リストへの切替えをどのように確認するのかを聞いておく必要があります。
費用やスケジュールについても、現段階では「予定」と「確定」を分けて説明してもらうことが大切です。
行政手続では、リストに名前が載った瞬間にすべてが動き出すわけではありません。今回の公表は、扉が開いたというより、扉を開けるための部品が一つそろった段階だと考えるのが近いでしょう。
送出国の多様化と、受入れの質

タジキスタンの暫定送出機関リストが公表されたことは、日本の外国人材受入れが中央アジアにも広がっていく可能性を示しています。
人材の送出国が多様になること自体は、企業にとって選択肢が増える動きです。
一方で、受入れ国が増えるほど、日本語教育、文化・宗教への配慮、相談対応、送出機関との情報共有など、受入企業に求められる力も大きくなります。
国籍を選ぶことよりも、外国人が安心して働き、技能を身につけ、企業も適正に雇用を続けられる仕組みを選ぶこと。その視点は、育成就労制度になって一層重要になると感じます。
育成就労外国人の受入れを検討する場合は、送出機関リストだけで判断せず、対象分野、監理支援機関、雇用条件、支援体制まで含めて確認することをおすすめします。
4.記事末尾の整理
【結論】
タジキスタンの暫定送出機関リスト公表は、育成就労外国人の採用解禁を意味するものではありません。正式な受入れには、二国間取決めの作成と認定送出機関リストの提出などが必要です。
【根拠】
・外国人技能実習機構が2026年7月24日にタジキスタンの暫定送出機関3機関を公表
・育成就労制度では、原則として二国間取決めを作成した国から受け入れる
・監理支援機関の許可は、正式な認定送出機関リストの提出後に行われる
・育成就労制度の施行日は2027年4月1日
【注意点・例外】
暫定リストに掲載された機関が、そのまま正式な認定送出機関になるとは限りません。二国間取決めの作成時期、実際の受入開始時期、対象となる職種や人数は、今後の公表を確認する必要があります。
個別の受入れ可否は、産業分野、業務内容、監理支援機関の許可状況などによって判断が分かれるため、専門家への確認が必要です。
【出典】
一次情報
・外国人技能実習機構「タジキスタンの暫定送出機関リストを公表しました」
・外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」
特定技能ビザをはじめとする各種ビザ・在留資格のご相談や代行申請はホームページのお問い合わせフォームをはじめ、お電話・LINE・Facebook・Instagramからもお問い合わせが可能です。
また、当事務所のYouTubeチャンネル「ビザ新潟ちゃんねる」も更新中です。興味のある方はYouTubeもぜひのぞいてみてください。
ビザ新潟ちゃんねる
以上、新潟市のビザ専門行政書士事務所、Asocia行政書士法務事務所でした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
新潟のビザ・入管業務のことならお任せ下さい。
ビザの相談・申請代行専門
Asocia行政書士法務事務所
新潟県初の登録支援機関(19登-000085)
代表行政書士 播磨 史雄
住所:新潟市西区平島2丁目13-11 2F
℡:025-201-7514
mail:info@fumio-h-office.com
総合ホームページ:https://fumio-h-office.com/
新潟ビザ相談センター:https://visa-asocia.com/
新潟県お酒の販売許可申請代行センター:https://www.sakemenkyo.com/
一般社団法人設立専門ページ:https://niigata-syadan.com
新潟成年後見相談センター:http://www.niigata-seinenkouken.com/
LINEからの相談は『24時間365日』受け付けています。
【※ご注意】ご依頼に関する相談料は初回無料ですが、ブログ記事に内容に関するご質問やご依頼に関係ないご相談は有償となります。
友達追加してお気軽にご相談ください。
対応エリア
新潟県全域・福島県全域・山形県全域
上記エリア以外でも当事務所はオンライン申請に対応しております。

