特定技能2号の申請で「業務内容に関する誓約書」が必要になります
出入国在留管理庁は2026年8月5日、「2号特定技能外国人の業務内容について」と題する案内を公表しました。
2026年8月20日以降、2号特定技能外国人に関する在留諸申請では、新たに「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」の提出が求められます。
今回の変更は、単に申請書類が一枚増えるという話ではありません。
2号特定技能外国人が、本当に1号特定技能外国人や技能実習生とは異なる立場で働いているのか。受入企業に対し、その実態を具体的に説明させる内容になっています。
この記事のポイント

・2026年8月20日以降の在留諸申請で新しい誓約書が必要になる
・所属部署、役職、具体的な職務内容、1号や技能実習生との違いを記載する
・分野によっては、2号外国人から指導を受ける対象者の確保が必要になる
特定技能2号は、単なる「経験豊富な作業員」ではない

特定技能2号には、長年の実務経験などによって身につけた熟達した技能が求められます。
入管庁の説明では、専門的・技術的分野の在留資格を持つ外国人と同等またはそれ以上の高い専門性・技能を持ち、自らの判断で高度な業務を遂行できる、あるいは監督者として業務を統括しながら熟練した技能で仕事を行える水準とされています。
分野別運用方針でも、例えば次のような業務が定められています。
・複数の作業員を指導する
・製造や建設などの工程を管理する
・現場の進行管理やマネジメントを行う
つまり、1号のときと同じ作業を長く続けているだけでは、2号の業務として十分な説明にならない可能性があります。
2号外国人自身が現場作業を行うことは問題ありません。
ただし、その仕事の中に、指導、工程管理、品質管理、安全管理など、各分野で求められる2号相当の役割が実際に含まれている必要があります。
誓約書には何を書くのか

新しい誓約書は「参考様式第1-32号」として公表されています。
主な記載事項は次のとおりです。
1.本人の部署・役職・具体的な職務内容
所属部署や役職だけでなく、本人が担当する製造物、収穫物、作業工程などを具体的に記載します。
「現場リーダー」「作業員の指導」といった抽象的な表現だけでは、実態が伝わりません。
誰に対して、どの工程について、どのような判断や指示を行うのか。品質や安全、作業進捗について、どこまで責任を持つのかまで整理する必要があります。
2.技能実習生・特定技能1号との職務の違い
同じ職場に技能実習生や1号特定技能外国人がいる場合、その人たちと2号外国人の職務内容がどのように異なるのかを記載します。
ここは今回の様式で最も重要な部分だと感じます。
申請書の上では「班長」とされていても、実際のシフトや指揮命令系統では一般作業員と変わらない。そのような状態では、2号としての業務実態を説明することが難しくなります。
肩書を付けるだけでは足りません。日々の仕事の中で、その役割が本当に機能していることが必要です。
3.2号外国人から指導を受ける対象者
対象者について、氏名、事業所・部署、役職、指導を受ける職務内容を記載します。
対象者が外国人の場合は、在留カード番号も必要です。
対象者は、原則として2号外国人と同じ事業所に出勤し、同じ部署に所属するフルタイムの従業員に限られます。
また、既に別の2号外国人から指導を受けている人を重ねて記載することはできません。
指導対象者は外国人に限らず、日本人従業員も対象になり得ます。
分野によって必要な指導対象者数が異なる

誓約書には、分野ごとの必要人数も示されています。
ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、宿泊、農業、飲食料品製造業では2名以上、自動車整備では1名以上が必要です。航空分野のうち空港グランドハンドリング区分も1名以上とされています。
一方、漁業、外食業など、必要人数が記載されていない分野・業務区分もあります。
この場合は指導対象者が不在でも差し支えないとされていますが、対象者が在籍する場合には記載が必要です。
受入企業の規模や人員配置によっては、この人数を確保できるかどうかが、2号外国人の受入れや更新に影響する可能性があります。
受入企業が今から確認しておきたいこと

今回の案内は、新しく2号へ変更する人だけを対象としたものではありません。
「在留諸申請時」とされているため、既に2号で働いている外国人についても、次回の更新等に備える必要があります。
企業では、少なくとも次の点を確認しておきたいところです。
・職務分掌や組織図と、実際の働き方が一致しているか
・1号外国人や技能実習生との役割の違いを説明できるか
・必要な人数の指導対象者が同じ事業所・部署に在籍しているか
・工程管理、品質管理、安全指導などの実施記録が残っているか
・雇用条件書や申請時の説明と、現在の業務内容にずれがないか
日報、教育記録、作業指示書、組織図、シフト表なども、実態を確認できる資料として整理しておくとよいでしょう。
これらが一律に提出書類になると公表されているわけではありませんが、追加説明を求められた場合に役立ちます。
虚偽記載のリスクは軽くない

入管庁は、誓約書の記載内容と実際の業務に相違がある場合、在留資格が取り消される可能性があると明記しています。
虚偽の内容を記載した場合には、特定技能所属機関の欠格事由に該当することがあり、在留資格認定証明書の交付や在留諸申請の許否にも大きく影響します。
申請を通すために、実際には行っていない指導や工程管理を書くことはできません。
外国人本人の署名も必要になるため、企業だけで内容を作成せず、本人と業務実態を確認しながら記載すべきです。
今回の変更は、新しい法律上の在留要件を追加したというより、以前から求められていた2号の役割を、申請時に具体的に確認する運用へ移したものと受け止めています。
特定技能2号は、在留期間の更新回数に上限がなく、家族帯同も可能な制度です。
その分、これからは「試験に合格したか」だけでなく、「受入企業で本当に2号として働ける体制があるか」が、より厳しく見られることになりそうです。
なお、2026年8月20日より前に受理された申請について、一律に追加提出を求めるかどうかは、今回の案内だけではわかりません。
現在申請中の案件については、必要に応じて管轄入管へ確認するのが安全です。
特定技能2号への変更や更新では、本人の技能だけでなく、企業の組織体制や指導対象者の配置によっても判断が変わります。申請直前では整えられない事項もあるため、早めに業務内容と受入体制を確認することをおすすめします。
4.記事末尾の整理
【結論】
2026年8月20日以降、2号特定技能外国人に関する在留諸申請では、新しい業務内容誓約書の提出が求められます。1号外国人や技能実習生との業務の違い、指導・工程管理の実態、指導対象者の配置まで具体的に説明できる体制が必要です。
【根拠】
出入国在留管理庁が2026年8月5日に公表した案内、参考様式第1-32号、特定技能制度の基本方針・分野別運用方針に基づきます。
【注意点・例外】
分野・業務区分によって必要な指導対象者数や2号業務の内容が異なります。8月20日前に受理済みの申請に対する取扱いは、公表資料だけでは明確ではありません。個別事情により判断が分かれるため、専門家または管轄入管への確認が必要です。
【出典】
・特定技能2号の各分野の仕事内容(Job Description)
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